第一段階  最初にアレルゲンが進入した時






第二段階  





第三段階  再び同じアレルゲンが進入した時






ワクチン接種  
犬の予防接種
猫の予防接種

ワクチンの種類表  
ワクチンの副作用・アナフィラキシーショック
ワクチンについての論考


アナフィラキシー・ショック

◆人の体と同じように動物も自分以外のものとを区別し、その異物(抗原)が体の中に入ってくると、それに対する抗体を作って、それを追い出そう、排除しようとする働きがあります。一度、抗体ができると同じ異物が再び体の中に入ってきたときに、異物を記憶していてすばやく認識し、その抗体がくっついて(抗原抗体反応)体を守ろうとします。これが免疫反応のことで、防衛反応と言えるでしょう。これは生体にとって有利に働く反応です。ワクチンはこの抗体を強制的に作り出すことです。
それに対し、アレルギーはある特定の抗原(アレルゲン)に対して、過敏に反応してしまい、種々の症状を引き起こすものです。通常、生体にとって有利に働くはずの免疫反応が、不利(=病気)に働いてしまうのがアレルギー反応なのです。
◆1回目のワクチンでアナフィラキシーが出ると2回目ではもっと激しいアナフィラキシーが起こる可能性があります。スズメバチに刺されてアナフィラキシー反応が出た場合、2回目以降に刺されたらショック死するかもしれないといわれているのと同じです。また数十年前、学校の給食に蕎麦が出て、蕎麦アレルギーだったので先生にそう言うと好き嫌いで食べたくないのだろうと思われて食べさせられ、ショック死したという事件がありました。ワクチンにしろ、薬にしろ、食べ物にしろ、サプリメントにしろ、アナフィラキシーを起こすものは2度と体に入れないことが大切です。

【原 因】                            
◆ハチ毒アレルギー、食物アレルギー、薬物アレルギー等があります。最近では、この他にもラテックス(天然ゴム)によるアナフィラキシー等が注目されています。
◆近年の研究において犬におけるワクチン接種後のアナフィラキシー反応のアレルゲンとしてワクチンに含まれる牛血清由来物質(牛血清アルブミンBSAなど)が注目されています。   
■ワクチンには抗原そのもののほかに、製造過程上混入する培養液、培養細胞成分、抗生剤などと、安定剤・防腐剤などの添加物(ゼラチン・アルブミン・チメロサールホルマリンなど)、免疫原性を高めるためにアジュバンドとして添加されるアルミニウム化合物などが含まれており、アレルギー反応の原因になったりします。
■ヒトのワクチンではゼラチンが含まれないものも作られるようになり、アレルギーが減ってきています。また、犬のワクチンの中には、異種蛋白が少ないのでアレルギーが起こりにくいということを売り物にしているものもあります。

 【症 状】
即時型1型アレルギーの場合
多くは抗原が侵入して30分以内〜2時間以内に発現します。症状は強く持続時間は短いのが特徴です。
呼吸器系・・胸痛、呼吸困難
皮膚・・痒み、むくみ、蒼白、潮紅
心臓血管・・脈拍微弱、頻脈、低血圧、
神経系・・不安、意識障害(混迷、昏睡)
その他・・結膜充血、嘔吐、腹痛
生命をおびやかすような危険な状態に陥ってしまうことがあります。これをアナフィラキシーショックと呼びます。

 【治療・処置】
抗原との接触をできれば避けることです。
意識、気道の確認、体温の測定、血圧低下ならば輸液を開始し、抗ヒスタミン、ステロイド剤の投与を行います。
呼吸管理:酸素吸入、症状の進行が予想される時は気管内挿管を行います。

 【どのように起こるの?】
アナフィラキシーが起こる仕組みには、免疫システムが働いています。
◆アレルギーの原因となる物質のことを“アレルゲン(抗原)”と呼びます。

 アレルゲンは、マクロファージ(食細胞)にとりこまれますが、異種たんぱく質なので異物として認識されます。この情報がTリンパ球を介してBリンパ球に伝えられると、アレルゲンに対するIgE抗体がつくりだされます。
●ある特定のアレルゲンに対して過敏な患者では、多くの場合アレルゲンに特異的なIgE抗体がたくさん産生されています。
●これを特異的抗体とよびます。特異的抗体は、肥満細胞や好塩基球という細胞の表面にくっつきます。
この時に感作したといいます。
●その後、同じアレルゲンが再び体の中に入ってくると、そのアレルゲンが肥満細胞や好塩基球上のIgE抗体とくっついて、抗原抗体反応が起こります。これにより、肥満細胞や好塩基球が刺激を受けて細胞の中の活動が活発になり、ヒスタミン等のケミカルメディエーター(化学伝達物質)が放出され(脱顆粒)、体の中の様々な臓器に働くことで、症状が引き起こされます。

 【言葉の説明】
●リンパ球も血液中の白血球に属します。リンパ球にはBリンパ球とTリンパ球の2種類があります。リンパ球は体内にウイルスなどの異物が侵入してくると、これをアレルゲンと認識し、アレルゲンに対抗する「抗体」をつくり出します。
●このような反応は体の中では瞬時に起こっていますが、アレルゲンが体の中の肥満細胞や好塩基球のところに到達するまでの過程によって症状のでる時間が異なります。ハチに刺された時のように、皮膚からハチ毒等のアレルゲンが入ったときには、早いときにはハチに刺された後、数分〜15分以内には症状がでてきます。それに対し、食物の場合は口から食べて胃や腸で消化・吸収されてからアレルゲンになるため、食後30分〜1時間くらいはかかります。
●アナフィラキシーで気を付けないといけないのは、いったんおさまった症状が数時間後に再発することです。これはいつも起こることではありませんが、おさまったと思って油断しないで、アナフィラキシーが起こったら直ちに医療機関に行ってください。

■IgE抗体
 抗原抗体反応に関与している抗体は、IgE、IgM、IgA、IgG、IgDの5種類があります。これらは免疫グロブリンというたんぱく質です。この中でIgE抗体は即時型アレルギーに関係する抗体です。

■肥満細胞と好塩基球
◆肥満細胞は、皮膚、肺、気道、腸等に存在する細胞で、他の細胞に比べ大きく、内部にヒスタミン等のケミカルメディエーターを多く含んでいることから、‘肥満細胞’という名前がついています。この細胞の表面にIgE抗体の受容体があるため、アレルゲンが体の中に入ってくると肥満細胞上のIgE抗体に結合してケミカルメディエーターを放出します(脱顆粒)。これがアナフィラキシー発現の引き金になります。
◆好塩基球は血液中の白血球のひとつで、内部にヒスタミン等のケミカルメディエーターを多く含んでいます。好塩基球も肥満細胞と同様に、アレルゲンとIgE抗体との結合が刺激になってケミカルメディエーターを放出する等、アナフィラキシー発現に関わっている細胞です。
■脱顆粒
アレルゲンが肥満細胞や好塩基球上のIgE抗体に結合して、それが刺激となってヒスタミン等のケミカルメディエーターを細胞の外に放出することをいいます。

 

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