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猫免疫不全感染症 FIV  

 猫エイズ・この項はアイン動物病院
 
猫エイズ(AIDS)と呼ばれるこの病気は人や犬には感染しません。人のエイズとは全く別の病気です。猫免疫不全ウイルスに感染した猫のだ液や血液に存在するウイルスが、猫同士のケンカなどの咬み傷から侵入し感染します。感染しても発症するとは限りません。無症状のままの猫もいれば免疫不全を起こし発症する猫もいます。発症して初めて猫免疫不全ウイルス感染症となります。
現在空気感染や飛沫感染は確認されていません。また、母猫が感染していても胎児への感染は少ないとされています。
FIVウイルスの感染を受けると約4〜8週間後に微熱や下痢、そして好中球 ( 白血球の一つ ) が減少し抗体が陽性となります。
そしてリンパ節の腫れる時期が2〜9ヶ月続いた後に、無症状期となります。
この中にあるものは、数年後にすべての病気に対する抵抗力が衰えてしまいます。
そのためウイルス、細菌、カビ、原虫や寄生虫などに感染を受けてしまいます。

多くのネコが歯肉や歯周組織、そして舌や口の中に口内炎や潰瘍がみられます。
また慢性の呼吸器病として慢性気管支炎、肺炎、鼻炎がみられます。
皮膚や外耳に慢性の化膿がおきていたりします。
頑固な発熱、食欲不振、貧血、体重減少、全身性のリンパ節の腫れなどが続いて次第に体力が消耗してしまいます。
第1期:急性期 症状ほぼ無し、感染後4週間〜4ヶ月
FIVウイルスの感染を受けると約4〜8週間後に微熱や下痢、そして好中球 ( 白血球の一つ ) が減少し抗体が陽性となります。
そしてリンパ節の腫れる時期が2〜9ヶ月続いた後に、無症状期となります。
第2期:無症候性キャリア期 無症状、数ヶ月〜数年
数年後にすべての病気に対する抵抗力が衰えてしまいます。
そのためウイルス、細菌、カビ、原虫や寄生虫などに感染を受けてしまいます。
第4期:AIDS関連症候群 発症すると呼吸器症状、消化器症状、皮膚病、口内炎、細菌の易感染、傷の遅延治癒、ブドウ膜炎、緑内障などいろいろな症状を起こします。

第4期に入ると大半は余命1年未満と言われています。
第5期:AIDS期 日和見感染、重度削痩、リンパ系枯渇

ですから、次の症状が見られた時には、速やかに受診しなければいけません。
   下痢や発熱が続いたとき、
   傷や口内潰瘍がなかなか治らないとき、
   顎の下や内股の付け根、そして膝の後などのリンパ節が腫れてきたとき、
   食欲不振、貧血、体重減少がみられたとき
予防注射はありません。
感染予防が最良の方法です。
そこで感染ネコとの接触を断つため、ネコを自由に外出させないことが第一です。
併発症としてはヘモバルトネラ、クリプトコッカス、トキソプラズマなどが知られています。
 いつ発症するかは個体差があります。ネコにおいては発症していなければ、健常ネコと同様に生活できることが多く、場合によっては寿命まで普通に暮らせることも期待できます。
 発症の時期を予測するための方法が模索されていますが、まだ確立されていません。
 抗体価を調べることにより、感染の有無を検査できますが、感染して1ヶ月以内の時は抗体価がまだあがっていないことがあり、そのときには検査しても分かりません。
 また、生後3ヶ月以内の子猫では母親からの移行抗体が残っている可能性があり、検査したときに疑陽性と判定されることがあります。
免疫力を向上させることが役立つ可能性がありますので、
サプリメントなどを使用するのも良いでしょう。
 ウイルスを排出しますので、他のネコとケンカするとそのネコに病気を移してしまいます。同居ネコでも普通に接触している限りは感染しませんが、唾液が口のキズから入り込んだりすると感染する可能性がありますので注意が必要です。


また、新たにネコを飼う場合は血液検査を受けることです。
検査の結果が出るまでは、他のネコと一緒に遊ばせないで下さい。
一度感染すると一生FIVウイルスを持っていますので、抗体陽性となったネコはできるだけ快適な環境で飼育して下さい。


【消毒】猫の体を離れると感染力はなくなる。だから、消毒の必要がない気もするが、念のため。体外では2,3時間で不活化(消滅)になる。消毒用アルコール、イソジン、塩素系消毒剤(ハイター、ブリーチ、ミルトンなど)。熱湯は80度Cなら10分間。


これからの項、1999年3月記述・2002年3月訂正記述 nimuravus 提供

○猫免疫不全感染症FIV/症状の進み方
○アロマテープ 
○猫エイズは“咬む”以外感染しない!?
○東京都における猫白血病ウイルス、猫免疫不全ウイルスの感染状況


猫免疫不全感染症FIV/症状の進み方

病期 期間 症状
急性期(感染4〜8週間後) 1ヵ月〜1年 発熱、リンパ節の腫れ
無症状キャリア期 2〜4年、またはそれ以上 無症状
PGL期(ウイルスが再活性化する) 1〜2ヵ月 全身のリンパ節の腫れ
エイズ関連症候群(ARC期) 1年、またはそれ以上 リンパ節の腫れ、さまざまな慢性の病気、口内炎が多発
エイズ 数ヵ月 激しい痩せ、重い感染症、または悪性腫瘍

●急性期=感染後4〜8週間後
 軽い発熱や、リンパ節(顎アゴの下、脇の下、膝の後ろなど)の腫れ。細菌感染を起こしやすくなる。外見上なんら症状を表さないこともある。
 数ヵ月間持続するのが普通。
 この時期は、体がFIVと闘っているので、体の防御反応を強めることで感染を消滅させる最後のチャンス。
  この数カ月間の時期に、インターフェロン(ウイルス抑制物質)投与によって、ウイルス感染が消滅した例もわずかにある。

●無症状キャリア期
 室内飼いがベスト。非感染猫がいるならケージ飼い(ただし、咬みつかない猫なら同居も可)。
 ストレスを起こさせない。
 できれば、口内を清潔に保つ。病院で歯石を取ったり、口臭や歯肉に出血があるときは、口腔用消毒液を使う。
 顎の下、脇の下、膝の後ろなどのリンパ節がこりこりしていないか、常に調べる。こりこりしていたら、発病の可能性がある。
 理想的には年2回以上検診する。次の時期以降は他の病気が併発すると悪化するので、一般的な健康診断も必要。(*エイズ期には、健康な大人猫なら問題にならない回虫や条虫などでも劇症を起こすことがあるので、検便駆虫やノミ取りもしっかりする。=nimravus注)
 3種ワクチンの接種は有効。(*猫白血病は感染猫のいそうな外にいる場合のみ必要だと思います。=nimravus注)

●エイズ関連症候群(ARC期)
 リンパ節の腫れ、体重の減少、慢性疾患が現れる。→リンパ節の腫れとリンパ腫
 慢性疾患で最も多いのは口内炎、歯肉炎。慢性鼻炎、慢性皮膚炎、傷が治りにくい症状、慢性腸炎、削痩(やせ衰え)もよく見られる。
 これらに軽い貧血も進行するようなら、確実にARC期。
 全身の臨床検査が必要。血液検査、尿検査、血液化学検査、X線検査。さらにFeLVやトキソプラズマの検査。
  口内炎の治療は、インターフェロンで口内の炎症を抑え、あわせて二次感染しているカリシウイルスを攻撃する。
 一進一退を繰り返し、症状が慢性化していく。1年程度で次のエイズ期へ移行してしまう猫もいれば、慢性の軽い症状のまま経過していく猫もいる。

 
☆首に巻いて使うパッチ状の「アロマテープ」は、痛みの軽減、免疫の増強に効果があるという。
「アロマテープ」はユーカリ油のアロマセラピーの原理を応用したもので、動物病院で買える。アロマオイルを購入し自分で作ることもできる。
 ただし、アロマテープがFIVに効くという説に疑問を投げかける獣医もいる。アロマが効くという説は、マスコミにもよく出てくる、自称FIVの第一人者だという、ある獣医が特にとなえている。しかし、その証明が、飼い主の主観によるようなずさんなものであり、また特定の企業から販売されているアロマテープの宣伝ではないかというのが主旨だ。
  アロマが効いたという話は、しかし、確かにあるのも事実だ。


●エイズ期
 感染から4〜5年が多い。
 いろいろな日和見感染(健康体では感染しない細菌や寄生虫に感染する)に対して、症状を緩和させる治療をする。
 ガンが頻発する。

(「アロマテープ」は痛みや炎症を軽減し、食欲を増進させたり、気分をリラックスさせるという。3日に1回換える。)


◆感染・発症の年齢
 1歳前後で、ケンカをするようになり、咬まれて感染することが多いのではないかと推定される。
 5〜6歳以降に発病期に入る猫が多い。つまり、感染後、4年くらいで発病することが多いことが推定される。

 FIVによる死亡例の平均年齢は約5.7歳。エイズ期だと診断確定後2ヵ月以内に全ての猫が死亡している(石田卓夫著『猫のエイズ』(集英社新書2001.2刊))。




アロマテープ

手作り法
 
=ニフティサーブ犬猫フォーラム 1998年5月の氷月さんのコメントより
○市販の茶こしパックの中にコットンを入れて、茶こしパックの両端に両面テープをはる。
 中のコットンにアロマオイルを垂らし猫の首輪に装着するだけ。(2日に一度交換する)
 アロマオイルはユーカリ3、ティートゥリー2、ミント1滴を、ホホバオイル10mlと混合。

 =ニフティのその他のコメントから
○ホホバオイル5mlにユーカリを2滴、テイートリーを0.5滴位混ぜている。

○うちでは、ホホバオイル5mlに対してユーカリ5滴、ティートゥリー3滴、パイン3滴、スペアミント1滴。症状が悪かったため濃いめにしました。

○アロマテープは、獣医さんで扱ってる物は1枚2000円(1200円のこともある。1998年。通常3日に一回交換。nimravus注)もするので、手製アロマテープを使っている。効果は市販品もお手製も、変わらないように思える。
 アロマテープの材料の香油=エッセンシャルオイルは私は「東急ハンズ」で購入した。
 あと、「アロマテラピー」のコーナーのある百貨店にも、置いてありました。


アロマテラピーとは
「アロマ(AROMA)=香り」+「テラピー(THERAPY)=治療」という2つの単語から、フランスの化学者によって造られた言葉。日本語に訳せば、芳香治療。
ラピーは英語読み。
 香りで人間や猫などの健康がよくなるというのは、にわかに信じがたい気もするが、免疫機能が改善するということは、医学データではっきりしている。

アロマのオイルとは
 キャリアオイルとエッセンシャルオイルを使う。キャリアオイルはそのまま肌につけることが可能な植物油。開封から半年〜1年品質がもつ。
 エッセンシャルオイルは、香りだけを抽出した精油。通常開封から2年は品質がもつ。
 上記では、ホホバオイルはキャリアオイル。ユーカリ、ティートゥリーなどはエッセンシャルオイル。

購入するには
 動物病院で扱っているところがある。ネットでも、ネット販売所が検索すれば出てくる。
 たとえば、Dr.Nyan ,Nyanとかシロ
 ともに、 アロマ研究所製 【成分】ユーカリ油、ミカン科精油(3種類)、シソ科精油(2種類)、タイム油/12枚入 価格 15,000 円(消費税・送料別)

 また、手作りのアロマのオイルは、やはりネット販売がある。
 たとえば、BELL FLOWER。日本人女性がイギリスから直送してくれる。
 ホホバが50ml 1600円。 ティートゥリーが10ml 1500円、ユーカリが10ml 1300円、スペアミント10ml 1300円。(価格は消費税・送料込み)

各精油の効果
 ティートゥリー=スパイシーな香り。殺菌、消毒作用に特に優れ、免疫力を高めることでも有名なオイル。
 ユーカリ= つんとくる鋭い香り。殺菌、抗ウイルス作用に特に優れる (BELL FLOWERのHPより)

 テープの交換は、ARC期では3日に1回が標準のようです。無症状キャリア期に使うかどうかについては、わかり次第追加記載します。(nimravus) 
 この項、2001.03.07初稿

→このユーカリなどを原材料に蜜蜂が作るというプロポリスが症状を緩和したという話も聞くことがありますプロポリス→


FivとFelvの検査での注意点

●Fivでは4ヵ月齢までの子猫の場合、陽性でももう一度検査を
 子猫の場合、猫エイズ陽性と判定されても、4ヵ月齢未満なら、“移行抗体”である可能性があります。永久歯の生える5,6ヵ月齢以降にもう一度検査すること。陰性に変わる場合があります。
 言ってみれば、感染母猫から、幻の陽性反応をもらっていて、子猫時代はそれが出るということのようです。
 また、母猫が感染猫の子猫の場合、生後3ヵ月過ぎてから検査したほうがいいようです。

●Felvでは成猫でも、陽性と判定されても、もう一度検査を
 猫白血病の場合は、成猫でも、陽性と判定されても、1〜4ヵ月後に再検査し、持続感染の有無を確認する必要があります。
 つまり抗体ができている場合があります。猫白血病は、猫エイズと違って、猫自身の体がウイルスに抵抗して中和抗体を持つことがある(骨髄細胞内には潜伏)のです。感染後4ヵ月までは抗体を持ちやすい時期です。

通常病院で行う簡易キットでは、数%の割りで間違いがあるといわれます。用心のためには2度受ける必要があります。
    

猫免疫不全感染症FIVは“咬む”以外感染しない!?


 猫エイズ(FIV)の感染の仕方については、いろいろ説があって、混乱しました。
 北里大学所属の北里研究所にThe KICAL Virtual Info-Center(小動物開業獣医師の先生方の サポートを目的に、 1994年に北里研究所内に組織された機関)のページがあって、そこに掲載されているFIVの感染説明が正しいと思いますので、これを中心にします。

      ***************************************************************************

 要旨はこうです。
FIVウイルスは唾液中に排泄される。
だから、咬傷で感染するものと「考えられる」。
発症し、口腔病変が起きた猫は感染させやすい。

母猫から子猫への垂直感染 (胎盤を経由する胎児への感染)は、起きないか起きても「きわめて稀」。母乳あるいはグルーミングによる感染はまったくない

子猫については、検査結果で陽性と出ても、母親からの移行抗体が疑われるので一回の検査だけで結論を出さず、 1〜3か月後、再検査することが勧められる(陰性である可能性もある)。

      ****************************************************************************

 このうち、「考えられる」とか、「きわめて稀」というところが、100%断言できず、例外もあるかもしれないということを言外に含んでいる気がします。しかし、まず100%と考えていいのでしょう。子猫の場合は、母猫の乳、グルーミングによる感染は「まったく」ない、としています。
 感染猫が咬んで、その口内のウイルスを、歯から、相手の皮膚を破って侵入させる以外、まず感染はない、ということです。
 咬んだりしない感染猫なら、感染していない猫と同居させても、「まず」大丈夫だということになります。「まず」というのは、例外中の例外もあり得ることがまだ示唆されていることと、咬まないと言っても何が起こるかわからず、「咬まない猫が、何かの拍子で咬む」こともあり得ると思うからです。
 なお、咬まれると感染しますが、逆に感染猫を咬んでも、感染しません(Information on FIV (feline immunodeficiency virus).)

*別の資料から=母猫が感染猫の子猫の場合、生後3ヵ月過ぎてから検査したほうがいいようです(Pet Lover's Forumなど)。また、FIV陽性と判定されても、4ヵ月齢未満なら、“移行抗体”である可能性があります。永久歯の生える5,6ヵ月齢以降にもう一度検査すること。陰性に変わる場合があります。
 言ってみれば、感染母猫から、幻の陽性反応をもらっていて、子猫時代はそれが出るということのようです。

*猫白血病の場合は、成猫でも、陽性と判定されても、1〜3ヵ月後に再検査し、持続感染の有無を確認する必要があります。つまり抗体ができている場合があります。猫白血病は、猫エイズと違って、猫自身の体がウイルスに抵抗して中和抗体を持つことがある(骨髄細胞内には潜伏)のです。   
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 以下、ややこしくなりますが、以前の記述も改訂要約して掲載しておきます。

 100%咬傷以外なし、と断言する獣医さんもいます。
「それ以外の経路(尿,唾液,交尾)では感染しません。例えば食器やトイレを共有したり、交尾によっては感染しません。」(『ネコの家庭医学』福留孝著[保育社]より)
 そのようなのですけど、やはり、例外もあるという危惧から、「殆ど感染しない」と「殆ど」をつけるのでしょうか。(獣医さんのホームページでは、現在のでも、舐め合いで感染するし、食器やトイレはもちろん分離、よく消毒する、と書いているものがあります。)

 また交尾で感染している雄猫が雌の首を咬んだとき、雌に感染する可能性が高くなるのではないかと思います。

 *発症した場合、口内炎が多いのですが、そうなると口内にウイルスが多く発生し、咬んで相手に感染させる可能性が高くなります。

 猫エイズキャリアの母猫から生まれた子猫も、陰性である場合が多いようです。
 子猫が母猫から感染するのは、母猫が子猫を運ぼうと首筋をくわえる際などに、ウイルスが侵入するほど咬んでしまったためということが考えられます。

 *なお、猫白血病ウイルスや猫伝染性腹膜炎のウイルスは、ケンカや唾液,尿,便を舐めたりすると感染するし、母子感染もします。

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 実際に猫エイズが陽性・陰性の猫を世話している場合、どこまで気をつければいいのか、迷います。上記のように、咬傷以外まずなしというなら、気をつけなくていいことになります。
 しかし、例外ということが、万が一ということがあるようでもあります。

 複数の室内飼い猫うちの一匹が猫エイズキャリアと知らずに何年か飼っていて、他の猫には感染していなかったという話を聞くこともあります。
 また、猫エイズは、外出自由飼い猫の4匹に1匹がキャリアであると言われます(1996年東京都調査。猫白血病は15%。)。もし咬む以外で感染するのなら、すぐに100%になってもおかしくない数です。そうならないのは、やはりそう簡単には感染しないのでしょう。4匹に1匹ということ自体凄い数字ですが。

 ノラさんを外で世話している場合、ウイルス検査自体を受けられないことも多いと思います。
 複数のノラさんを世話している場合、食器を完全には別にできません(他の猫のを食べたりするので)し、寝場所も同じになったりします。
 100%ではないが、猫エイズに関しては、咬む以外うつらないということが救いではあります。つまり、食器や寝場所、トイレの共有からはまずうつらないということです。

 一方で、猫白血病ウイルスや猫伝染性腹膜炎ウイルスは、食器の共有、舐め合い、糞尿で感染します。しかし、これらのウイルスは、猫が克復してしまうと以降感染もさせなくなるし、感染し発症した場合は見分けがつきやすいということがあります。

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 室内飼いでFIV感染猫とそうでない猫がいる場合、ふつうの家では部屋を別にするほど部屋数がなく、困ります。
 もし確実に咬まない猫ならば、非キャリア猫と一緒にしても大丈夫なのでしょうか。
 また、食器は別々にするとしても、どの程度洗えばいいのか。トイレの砂などは気をつけなくていいのか。そもそも、糞尿からは感染しないとしたら、トイレを一緒にしてもいいのか。

 nimravusの判断では、咬んだりしないなら、同居も可なんだろうと思います。これは、咬傷以外まず感染しないという解釈に立つと、咬んだりしない関係なら、同居させてもいいわけです。ただし、万が一の咬傷事故ということはあり得ます。
 だから不安はあります。食器はもちろん別にし、トイレや寝場所もできれば別にしたくなります。
 今でも、完全に隔離をすすめる獣医さんもいます。
 分離して生活させていても、毛などでは感染しないが、食器などは丹念に消毒をと勧める獣医さんもいます。

 食器の消毒は、うるさく言う獣医さんもいますが、ふつうに水洗いでいいのではないでしょうか。気休めには熱湯消毒くらいで(猫エイズウイルスは熱に弱いそうです)。さらに万全を期すならハイターやミルトンなど塩素系洗剤を使います。

 なお、猫エイズが発症し、口内炎など起こしたときには、口にウイルスが多くなるわけだから、細心の注意が必要です。
 猫白血病ウイルスや猫伝染性腹膜炎ウイルスの場合は、食器の丹念な消毒が必要です。

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 猫エイズウイルスはどうしたら消滅するのでしょう。
「咬む」以外感染しないということは、このウイルスは、体外に出るとすぐに不活性化するということです。
 咬んで、歯が相手の体内に食い込み、自分の体内と同じようになったときだけ唾液からウイルスが相手の体内へ侵入できるということです。
 ということは、そもそも消毒しなくても、外気にあたった猫エイズウイルスは活動停止してしまうということです。
 猫エイズウイルスは2,3時間で不活化(消滅・死ぬ)します(FAB英国HPより)。
 感染猫の食器も水洗いで充分ということになります。でも即座に不活性化にさせるなら、熱湯消毒や煮沸消毒します。あるいはハイターやミルトンを使います。

 感染猫のいるキャリー、ケージなどを消毒するには、消毒用アルコールやハイター(ステンレス以外の金属には不可)を使います。

 非感染猫がケンカして、咬まれ、ウイルス感染が不安なとき、傷口にイソジンを塗るといいでしょう。猫エイズウイルスは、体外にいるのは感染源にならない理屈だし、体内にすでに入ってしまったのはどうしようもないので、そう効果はないかもしれませんが、猫白血病ウイルスや猫伝染性腹膜炎ウイルスには有効です。マキロンはウイルスには効果がないようです。

 人のエイズでも、キャリアの人とそうでない人が夫婦でもコンドームを使うくらいで、大丈夫だとされます。
 猫エイズは交尾でも感染しないほど弱いウイルスです。ということは、人のエイズの場合よりも、もっと緩やかに考えていいということです。

                                                 2000.12.20初掲載 2001.1.27改訂


FIV感染猫が気をつけるべき、ウイルス以外の猫の感染症
  特徴 感染経路 症状 予防・治療 人間への感染
猫ヘモバル





猫伝染性貧血症
リケッチャの仲間の微生物が、血液中の赤血球の表面に寄生して血球を壊し、悪性の貧血を起こす。 ノミあるいは、ケンカによる傷から(まだ不明)。 急に元気や食欲がなくなり、動作が鈍くなる。歯茎や結膜が真っ白になって貧血症状を起こし、次第にやせて体重が減少する。
感染していても上記の症状は出ず、ストレスの多いとき、また
猫白血病ウイルスや猫免疫不全ウイルスに感染したときに、急激に発症することが多い。
猫白血病ウイルスや猫免疫不全ウイルス感染猫は注意。 なし
クリプトコッカス症
・全身性真菌疾患
真菌(カビ)の仲間のクリプトコッカスと呼ばれる病原菌による、全身性真菌感染症。
犬猫では老齢になって神経系や呼吸器系に障害を起こし、人間では髄膜炎、牛では乳房炎を起こす。ハトの糞の中に菌が多く検出される人畜共通感染症。

菌が皮膚に直接ついたり、空気中の胞子を吸い込んで。
野外では、ハトの糞の中にある胞子を猫が吸い込んで感染することが多いと考えられる。


呼吸器系に感染すると、慢性的な鼻炎を起こし、鼻汁・目ヤニを流す。気管支炎や肺炎をを起こし、咳やくしゃみがでることも。
神経系に感染すると、神経障害で痙攣や意識障害、さらに麻痺や失明することも。
皮膚に直接感染すると、慢性的な皮膚炎を起こし、クリプトコッカスのかたまりになり小さな結節を作ることがある。

ハトの糞に気をつけ、早く掃除する。

効果的な薬が開発されている。
猫白血病ウイルスや猫免疫不全ウイルス感染で免疫が障害されていると、もともと環境中にいる菌なので、感染・発病の危険性は多くなる。人間でも免疫不全患者やガン患者、あるいは免疫抑制剤を使用中の人に発生することがほとんどで、このような性質から日和見感染病原体と呼ばれている。

しない。
猫から猫、猫から人へは感染しない。
空気中の胞子が人へ、猫へという感染の仕方。


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[ニャーニャーニュース]

アメリカで、2002夏FIVワクチン接種開始2002.09.12

アメリカでは、FIV(猫エイズ)のワクチンが接種できるようになりました。
今年3月18日に米国食品医薬品局が認め、同月22日米国農務省(USDA)から販売を許可されたFIVワクチンは、8月12日に、Fel-O-Vax FIVという名前でFort Dodge Animal Healthからリリースされました。
夏が終わる頃には、全米の動物病院で接種可能になるとのことです。
ワクチンは、有効率が84%といわれます(3月の段階ではワクチン開発者のヤマモト博士は最低60%の効果とコメントしている)。
最初に3回接種して以降は年一回接種。最低1年間は有効。生後8週齡の子猫から効果がある。
ただし、他の不活化ワクチン同様、アジュバント(ガンを起こす)などの問題はある。

ワクチンを開発したのは、フロリダ大学のジャネット・ヤマモト博士です。
そもそもFIVウイルスは1986年、彼女が、カリフォニルニア大学デイヴィス校でニールス・ピーダースン博士(国際的なレトロウイルスと小動物の免疫傷害研究の権威。ヒトエイズイルスの研究者でもある)のもとで研究補助員として働いていたとき、発見されたものです。
二人は、このワクチン開発のために14年間研究を続けました。このため、このワクチンは両校が特許を持ちます。
人間のエイズワクチンや治療にも関連することから、ヤマモト博士への資金の多くを国立衛生研究所が提供しました。

ワクチンはアメリカとアジアの2種類のウイルスを不活性化したものです。
ウイルスは大別してアメリカ型とアジア型の2種類がありますが、さまざまな亜種が各地域に存在し、また体内での突然変異でも生まれるそうです。このワクチンはどんなタイプのウイルスにも効くワクチンであり、そのために努力してきたとヤマモト博士は説明しています。具体的には3つの亜種タイプから作り上げたそうです。つまり、日本でも有効なワクチンであるということです。
ヤマモト博士は、イギリス、イタリア、日本のFIV研究グループがさらにワクチン研究を発展させることを願っています。
(なお東京大学農学部獣医内科の分類では、FIVウイルスのタイプは5種類あるとしています。アメリカではA、Bの2タイプ、日本では主としてA、B、Dの3タイプがあり、このうち東日本に多いABの2タイプは共通しますが、西日本に多いDは日本固有のものと言われます。ちなみにツシマヤマネコのエイズウイルスはDです。ツシマヤマネコのエイズウイルスは、ノラからうつったと普通推定されますが、ツシマヤマネコ自体が持っていた可能性も低い確率にしろあります。ベンガルヤマネコから分岐したツシマヤマネコ自体が持っていたか、またベンガルヤマネコが古代中国で飼育され東洋のイエネコにベンガルヤマネコの血が混じっている可能性も絶無ではありません。=nimravus)。

アメリカでの記事例:
http://www.vetcentric.com/magazine/magazineArticle.cfm?ARTICLEID=1842
http://www.goodnewsforpets.com/whats_new/whats_new.htm
ヤマモト博士のコメントのあるページ
http://www.vetmed.ufl.edu/path/Faculty%20Pages/Yamamoto/yammamoto_FIV.htm
http://www.vetmed.ufl.edu/path/Faculty%20Pages/Yamamoto/yamamoto.htm

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"ネコのエイズワクチン"独ベンチャー開発、ヒトにも応用の可能性 
 2000.8.23

 独ベンチャー企業のモロゲン社などの研究グループは、ネコのエイズウイルスであるFIVに効果があるワクチンを開発した。FIVはヒトに対しては無害だが、基本的な構造はヒトのエイズウイルス(HIV)と似ている。ネコのモデルで研究することでヒトのHIV研究にも応用できる可能性があるという。
 このワクチンはFIVの膜を構成するたんぱく質の遺伝子と、免疫の働きを活発にするネコのインターロイキン12の遺伝子の一部からなる。このワクチンをネコに予防接種したところ、接種したネコの4分の3で感染が予防できたという。研究グループはより効果的で費用も安く済むヒトのHIVワクチンの開発につなげるためにさらに研究を続ける。
[日経産業新聞]2000.8.23

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猫エイズのワクチン、米で販売を認可 今夏から米国で発売  ZAKZAK 2002/03/23

【ワシントン22日=共同】米農務省は22日、猫の免疫機能を低下させ、猫エイズとも呼ばれる症状を引き起こす「猫免疫不全ウイルス(FIV)」に対するワクチンの販売を認可した。

 このワクチンは、米国とアジアの2種類のウイルスを不活性化したもので、カリフォルニア大と、アイオワ州にある企業などが共同で開発した。動物実験などでワクチン接種を受けた猫は、FIVへの感染率が低くなることが確認された。この夏から米国内で販売が始まる。

 このウイルスは猫の血液中のリンパ球に入り込んで破壊し、免疫機能を低下させる。猫同士のけんかの傷や交尾で感染、発症した猫は人間のエイズ同様、免疫不全状態に陥る。1986年に米国で発見された。エイズウイルス(HIV)と近縁関係にあるが、人には感染しない。

 日本は世界で最も感染率が高い国の一つとされ、絶滅が心配されるイリオモテヤマネコやツシマヤマネコなどへの感染が心配されている。


USDA、ネコ免疫不全ウイルスのワクチン認可
 米国農務省(USDA)は、3月22日、ネコ免疫不全ウイルス(FIV)に対するワクチンとして初めてとなる米国Wyeth社Fort Dodge Animal Health部門のワクチンについて、商業目的での生産と臨床での使用を認可した。(日経バイオテク・オンラインから)BizTech 2002年3月27日



東京都における猫白血病ウイルスFeLV、および猫免疫不全ウイルスFIV(猫エイズ様疾患)の感染状況(1996年)

 東京都獣医師会会員57クリニックにおける来院猫の猫白血病ウイルス(FeLV)および猫免疫不全ウイルス(FIV)の感染状況。
1 飼育環境別の感染状況


2 性別の感染状況  雄は雌に比べて陽性率が高い。

出典)  東京都獣医師会雑誌 東獣ジャーナル1996年11月号「東京都における猫白血病ウイルスおよび猫免疫不全ウイルスの感染実態調査」

外に行く飼い猫の4分の1が猫エイズ(FIV)にかかり、15%が猫白血病ウイルス(FeLV)にかかり、6.2%が両方にかかっている。つまり半数の外に行く飼い猫がどちらかか両方に感染している(発症ではない)というのは、ショッキングです。しかし、ちょっと多すぎる気がします。サンプル数の438匹はどういう猫なんでしょう。獣医によっては、前述のように猫白血病ウイルス感染は2%くらいとする人もいます。地域によって極端に違うことは大いにありえます。

2001.3.4 「6大ウイルス感染症」より分離



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